2012年8月7日火曜日

ハンガリー人の姓名の表記


今回の倫敦(ロンドン)五輪に関する日本語のニュースや記事を見ると、ハンガリーのスポーツ選手の名前の表記が滅茶苦茶になっています。(誤表記が多い気がします。)
ハンガリー人の姓名のカタカナ転写についてちょっと纏(まと)めようと思います。

先ず第一に、 姓と名前がよく逆になっています。 ⇒ 姓名の順序は日本のと同じなので、  苗字+名前 ですね。



× クリスチアン・ベルキ

○ ベルキ・クリスチアン (Berki Krisztián)

「ベルキ」は苗字で、 「クリスチアン」は名前ですね。

(「クリスチアン」より「クリスティアーン」の方が原音に近いです)


× エバ・リストフ 

○ リストヴ・エーヴァ (Risztov Éva) 




第二は、ローマ字の問題です。
ハンガリー語は、英語と同じくローマ字で表記されていますが、字母の読み方は英語と異なることがありますし、á・ü などのように記号のついている字母もあります。と言うわけで英語の知識でハンガリー人の名前を読んで、カタカナに書き直すと、間違いが生じます。 以下で英語と異なる読み方をする字母の転写法を示すが、言うまでもなくカタカナ表記に限界があります。括弧内で国際音声記号による音価を表示します。

1.母音  

  a, i, u, e, o  は 「ア」 「イ」 [ウ] 「エ」 「オ」列、  á, í, ú, é, ó  は  「 アー」 「イー」 「ウー」 「エー」 「オー」列で良いと思いますが、 問題は ö ([ø]) - ő ([øː] ]), ü ([y]) - ű ([yː]) ですね。日本語に無い母音ですから、 ö - ő を 「エ」 「エー」 で、 ü - ű を 「ウ」 「ウー」で書くのが仕様がないですね。 



2.子音

子音のうち、ここで英語と異なる読み方をする字母だけを転写します。 

c ([ʦ] ): ツァ行
稀に cz も見られますが、発音も転写法も上記と同じです。

cs ([ʧ]): チャ行

dzs ([ʤ]): ジャ行

gy ([ɟ]): ジャ行に当てます。

-h: 語末の h は、無音なので、転写しません。 例: Cseh: チェ
例外: ドイツ系の名前に現れる -ch ⇒ ハ行で転写します。

j ([j]): 英語のyと同じなので、 ヤ行または 「イ」ですね。

ly ([j]): 上のjと同じなので、ヤ行または「イ」ですね。

ny ([ɲ]):  ニャ行

s ([ʃ]):  シャ行

sz ([s]): サ行

ty ([c]): チャ行

v ([v]): ヴァ行

w ([v]): ヴァ行

zs ([ʒ]): ジャ行





× ダニエル・ギュルタ

○ ジュルタ・ダーニエル (Gyurta niel)



×  アーロン・シラーギ/シラギ

○ スィラー・アーロン (Szigyi Áron)



×  カロリー・タカーチュ

○ タカーチュ・ カーロ  (Takács Károly)



×  アドリアン・アヌス

○   アンヌシュ・アドリアーン (Annus Adrián)




上記の説明は大雑把かも知れませんが、ハンガリーの姓名を転写する際、役に立てれば嬉しいです。

16 件のコメント:

  1. És ha még az elhiresült athéni kalapácsvetőnket is idevennénk, aki a japán keresztségben sallangmentesen "ánusz" lett... A japán vonatkozás miatt (japán kalapácsvető elől hoppolta-doppingolta el az aranyat) pedig évekig egy eléggé konkrét magyar ánusszal volt tele a japáni sajtó... Asszem Annus Adránnak hivták. A Yahoo-n meg is kérdezte vki, hogy "アヌス選手のドーピング検査は大便ですか?" :) Ide is vezethet az "átirási mecsakucsa".

    返信削除
  2. アヌス選手.....szegény :(
    Köszönöm, mindjárt bele is írom a bejegyzésbe.

    返信削除
  3. Károlyはカーロイだったのか!
    世にも奇妙なハンガリー料理の、グンデル・カーロイのww
    勉強になったね!

    返信削除
  4. グンデルの料理本、最高っしょ? (笑)

    日本の新聞記者はある意味、凄いね (笑)  Károly を 「カロリー」、Szilágyi を 「シラギ」(新羅かぁ??)と表記したりするね・・・。
    勉強不足だね。

    返信削除
  5. >Szilágyi を 「シラギ」 (新羅かぁ??)

    そんな事言っちゃったら、今度は韓国メディアが放っておかないぜ?!
    「ハンガリーはウリナラが起源イムニダ!」とか言い出すのに気を付けろ!!www

    返信削除
  6. やばいね (笑)
    そういえば、韓国のメディアも、ハンガリーの選手の名前を間違って報道するかな?
    布大伯什特(ブダペスト)で出来た、「韓國文化院」のホームページに、「ハンガリー語の한글転写法」っていう一覧表が載せてあるけど、
    あれどれぐらい通用されてるんだろうね・・・。 國立國語院에서 정한 헝가리語 우리말表記法

    返信削除
  7. そうだよw
    奴等が増長する恐れのある餌は与えないで下さいよww
    韓国でも恐らく、かなり間違って報道されてるのは想像に難くないね。
    表記方については、見たことないし分からないけど...内容は突っ込みどころ満載そうだわwww

    返信削除
  8. まぁ、トンデモ説は一部のハンガリー人の間でも流行って居る・・・丸で宗教みたいだから、、奴等と議論せず無視した方が良い。


    한글転写に関して、韓国にいるハンガリー人に訊いてみたが、今返事待ち。

    返信削除
  9. へええー
    そうとうコアなハンガリー人達もいるもんだw
    また転写に関して、面白い答えもらったら教えてちょ♪

    返信削除
  10. 未だ返事来ていないけど、自分でちょっと調べたら、こういう転写例を見つけた。

    카로리 타카스 ⇒ これは日本の報道と同じく、 姓名と名前が逆になっているし、Takács (タカーチュ)を 타카스 と書くのも一寸間違っているね。국립국어원에서 정한 헝가리어 우리말표기법 を見ると、cs のハングル表記は 치 に成っているから、 Takács を 타카스 ではなく、타카치  と表記すべし。카로리 も 日本のカロリーと同じく、全然駄目で、카로이の方が正しかろう。

    返信削除
  11. A magyarul nagyon jól tudó ismerőseim, amikor szóvá tettem nekik a katakanás átírást, azt mondták, hogy "vannak szabályok". Nekem azért furcsa volta a "különböző = クルンブズ-". A másik kedvencem a "gyógyul = ジョージュル" és a "gyógyfürdő = ジョーチフルドゥー". De érdekes a "köszön = クスン" "körül = クルル" "köt = クト"。 Az "ö" hangot valami miatt az "ゥ" kanával írják át.

    返信削除
  12. Hm, érdekes ez a mindent ゥ-val átíró "irányzat". Vajon honnan szedték ezt a szabályt? A facebookon mondta egy japán ismerős, hogy ő az "ü" hangot szokta ユ-val helyettesíteni, amit persze a magyarok nem igazán díjaznak :)

    返信削除
  13. Előbányásztam egy régi magyar-japán / japán - magyar társalgásomat*, ahol szintén ez a ゥ-s (néha ユ) átírás divatozik:

    Odacsöröghetek?  オダチゥルゥグヘテク

    Hülye vagy! フュイェ・ ヴァヂ

    Őrült vagy! オールュルト・ヴァヂ 
    stb

    Vajon a könyvecske japán felhasználói hogyan birkóztak meg a ルュ, フュ kiolvasásával? :)


    * Harada Tomomi és Erdély Orsolya: Sokkal barátságosabban japánul & もっとフレンドリーにハンガリアン. 2002 (magánkiadás?)

    返信削除
  14. Az előbb leteszteltem a feleségemmel a ルュ, フュ átírást : ahogy várható volt, a フュイェ-t "fjuje"-nek olvasta, ami azért elég messze van a "hülyétől"

    返信削除
  15. 韓国語には長母音すらないから、ある意味正しく書こうとしても書けないというオチもw
    ま、日本語もそうだねw

    返信削除
  16. 確かに、長母音を表記できないのは、弱点だね。 ところで、昔の韓国語の教科書に、 長母音があると書かれていて、レッスンとかで字母の後ろか真上に附けた符号で表記されたよ。  例えば、

    短母音

    조선 (朝鮮) 、눈 (目)、말 (馬)  


    長母音

    조ː선 (造船)、 눈ː (雪)、 말ː (言葉)

    現在でも、短母音と長母音の区別は守られているかな?

    返信削除

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。